『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』（アメリカンクライムストーリー ヴェルサーチあんさつ、The Assassination of Gianni Versace: American Crime Story）は、テレビシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー』の第2シーズンである。初回は2018年1月17日に放送され、同年3月21日に最終回を迎えた。全9話構成となるこのシーズンでは書籍『Vulgar Favors: Andrew Cunanan, Gianni Versace, and the Largest Failed Manhunt in U. S. History』を基に連続殺人犯のアンドリュー・クナナンがジャンニ・ヴェルサーチを殺害した事件が描かれる。
ジャンニ・ヴェルサーチを演じたエドガー・ラミレス、ジャンニ・ヴェルサーチの妹でビジネスパートナーのドナテラを演じたペネロペ・クルス、ジャンニ・ヴェルサーチの恋人アントニオを演じたリッキー・マーチンの熱演も良いけど、アンドリュー・クナナンを演じたダレン・クリスの熱演がドラマ「glee」のブレインとギャップがあって素晴らしい。
頭が良くて魅力的なのに、地道に勉学して努力することを「平凡」と嘲笑い自分のことを「特別」と思い込み、病的な虚言で自分を大きく見せて金持ちのゲイを引っ掛けジゴロ生活を続け、パトロンに「せっかくの才能を勉学や仕事に努力することに使え」と言われても虚栄の生活を続けることでしか虚栄心を満足出来ないサイコパスとしてのクナナンの異常さを、きっちり演じている。ジャンニ・ヴェルサーチに、「さんざん尽くしたのに自分は一人だ。僕は特別なのに運と世の中が悪い」とクナナンが恨み言をぶちまける悪夢的なシーンなど印象的。
軍隊やファッション業界などで当時のゲイに対する不当な扱いや差別が、罷り通っていたこと、クナナンの指名手配が遅れたことが事件解決を遅らせたこともしっかり描かれているし、マイアミやロスなどのセレブの世界もゴージャスに描かれ、ゴージャスでサイコなクライムドラマ。
