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アメリカン・クライム・ストーリー / O・J・シンプソン事件のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.8
『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』(The People v. O. J. Simpson: American Crime Story)は、テレビシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー』の第1シーズンである。シーズンは2016年2月2日に始まり、ジェフリー・トゥビンの書籍『The Run of His Life: The People v. O.J. Simpson』(1997年)を基にO,Jシンプソン事件を描いている。
ロバート・シャピロ(ジョン・トラボルタ)、ロバート・カーダジアン(デヴィッド・シュワイマー)、ジョニー・コクラン(コートニー・B・ヴァンス)らいわゆるドリームチーム弁護団は、当時のロス市警の黒人に対する不当な扱いや捜査を担当したファーマン刑事の人種差別発言や殺人事件現場が血まみれなのにシンプソンが乗っていた車に残った血痕がわずかなことなどを根拠に「ロス市警は証拠を捏造してシンプソンを犯人に仕立てた」とシンプソンを弁護した。
マーシャ・クラーク(サラ・ポールソン)ら検察は、あくまでも証拠と証言に基づき、「シンプソンの靴下や手袋に被害者の血痕がついていた」ことなどを根拠に「シンプソンが犯人であること」を主張した。
自分の側に都合の良い陪審員の選出、証拠や証人選び、マスコミを使っての世論誘導、弁護団の感情的な陰謀論に徐々に流される陪審員と世論、泥沼の法廷闘争。
シャピロとコクランの弁護団内部の抗争、陪審員内部の対立、裁判の中で不和になっていくシンプソンとカーダジアンの関係が、ジョン・トラボルタ、サラ・ポールソンなど芸達者な演技派俳優の演技合戦で描かれるので、単なる再現ドラマに終わらない骨太なリーガルサスペンス&ヒューマンドラマとして楽しめる。
アメリカに燻り続ける人種差別、冷静に事件の真相究明する能力に欠けた陪審員が左右する陪審員制度の欠陥が浮かび上がってくる社会派ドラマの面も見逃せない傑作ヒューマンサスペンスドラマ。