設定以上に演出面が鼻につきすぎた荒唐無稽人間ドラマ。あまりにも酷い1話と2話の導入から“慣れ”により観れるようにはなったが、定期的にその“ズレ”の演出に呆れる。
もうこのドラマ、サイコパスばっか。
私は柴咲コウの大ファン(ライブも何度も行ったことがあり、前から2列目でコウちゃん拝めた感動は一生忘れません)だから、義務感で最終話まで観たんですが、もうね、みんな頭おかしいですよ。
最たるものは鈴木保奈美演じるお母さん。
このドラマは位置付けとしてファミリードラマ、人間ドラマだと思うんですが、彼女の存在は間違いなくホラー寄りのサスペンス。
もちろん25年も眠り続けた娘を献身的に看病した苦労と、そこから目覚めた娘を守ろうとする気持ちはわからんでもありません。
娘の部屋に監視カメラつけるわ、平気で監禁するわ、友達(一応恋仲になる男)と会わないように画策するわ、GPSで居場所全部わかるわ、などなど挙げればキリがありません。
演出面で特に気になったのは、柴咲コウ演じる望美と坂口健太郎演じる結人が毎話のように落ち合う図書館。
いつも人気がない、しかも図書館でなかなかの大声で会話する、という現実にはありえない行動に気持ち悪さが増すばかり。
とある家族で過去と向き合い前に進むという決意のシーンで、みんなで豆腐を食べるんですが、そこも気持ち悪い。
望美、母親と何も付けずに豆腐をパクリ。まぁそこまではいいとしても、3人目の田中哲司演じるお父さんまでもが醤油も付けずに食べる。おかしいでしょ。4人目の橋本愛演じる妹の愛美も含め、家族全員が真っ白な冷奴を食すシーンがあまりにもシュール。我々は何を見せられているのだろうと。
10歳の精神年齢のまま35歳の体で目覚めたという設定のため、望美はあまりにも世間を知りません。だから、段階を踏んで徐々に大人に近づいていくわけですが、中盤以降突如あまりにも大人になりすぎて、一体あなたに何が起きたのという。
RPGでいうならば、レベル10が裏技使っていきなりレベル90とかになった感覚。
あとは様々な大人の事情もあるのでしょうが、柴咲コウ(39歳)と坂口健太郎(29歳)が同級生という設定にはあまりにも無理があります。
柴咲コウは紛うことなき美女です。私は大好きです。だけど、年相応に見える坂口健太郎と比較すると明らかに同級生には見えません。2人が恋人という設定でイチャイチャするのは構わないんですが、同級生という設定には違和感が最後まで拭えませんでした。
お父さん側の家族(色々あって望美ママとは離婚している)もかなりの問題を抱えていました。特に息子と義理の父親の関係性に注目していたのですが、和解したと思いきや、おまえ誰だ?ってレベルで息子が更生していて驚くばかり。
苦言を呈してばかりですが、こんなツッコミをしながらずっと観てきました(笑)
なんだかんだそんなところを楽しんでいたのかもしれません。
正直作品としては1点台にしたいぐらいですが、感覚が麻痺して途中からはそれなりに楽しんでいる自分がいたこと、精神年齢10歳の35歳の少女を見事演じた柴咲コウへの感心で2.5点まで加点しました。