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バイバイ、ブラックバードのdarumaのレビュー・感想・評価

バイバイ、ブラックバード(2018年製作のドラマ)
3.9
WOWOWオンデマンド、伊坂幸太郎原作&森義隆監督に惹かれて。監督の直近作「両刃の斧」を先に観ており、結構よかったので同じ監督の過去作を観てみました。ただ、1-5話まで一気見した後、最終話まで10日近く寝かせていたので記憶が曖昧になっている部分はあります。原作未読です。

借金を背負いすぎた男が「あるバス」に連れられて行くまでの間、監視役の大女とともに、付き合っている彼女達(五股…。。)に別れを告げて歩く話です。

まず思ったのは、城田優くんが大女役…!!
男性が女性役(含むトランスジェンダー)をするのは、私の中では志尊淳くんの「女子的生活」が最初で(当時めちゃくちゃビックリしました!)、あと生田斗真くんの映画「彼らが本気で編むときは、」の印象が強いです。どれも同じくらいの時期なので、ちょっとしたブームだったのでしょうか…城田くんも最初は「す、すごい…」という印象しかありませんでしたが、最後まで観終わったら、結構愛着持てました。
何故真っ黒い服だったのか?最終話でビックリ(そのイメージか!)

勿論原作は女性だと思うのですが、大女を女性じゃなくて男性が演じるというキャスティングが凄い!絶妙すぎる…

伊坂幸太郎作品って、割とこういう劇画チックというかキャラの立ってる人物像が多いと思うのですが、繭美はまさにそうでしたね…

片や星野はまさに「人たらし」という言葉が似合いすぎる…途中からもうそのワードしか浮かばなかった。悪意が無い、めっちゃいい人すぎる。悪意が無いのが一番タチが悪いとも言いますが、この人は悪い人には見えなかった。皆を救うヒーローのような存在。
高良健吾くんが演じています。たまにあざとい感じがありますが(これは城田くんの序盤でも思いました)、悪くはなかったです。

5人の女性キャラクターも絶妙すぎる。独身、バツイチ、ギャル、頭固そうな人、女優とバラエティに富んでいて、最後5人目が関めぐみさん!伊坂作品御用達の女優さんです。(ここで「制作わかってるなー!」と思った)

あと、時々立ち寄る定食屋さんのおばさんが、「ああ、ラブホテル」で清掃員をやっていた方だったような…!
森義隆監督って「ああ、ラブホテル」もされてたんですよね。直近で今年のバージョンを観ており、今年の作品に森監督はいないのですが、過去作の監督さんを調べて知っていたので気付きました。

ラスト、最後までどうなるのか、凄くドキドキしてしまった…
個人的にはとてもいい終わり方だったと思います。
ブラックバードの意味。
ブルーバードが幸せの青い鳥で、ブラックなので真逆…不吉な鳥な訳ですが(実際にそういう台詞がありました)、それもちゃんとタイトルに掛かっていたということに、今、感想を書いていて気付いた。うまい!

さらに今「Blackbird」について調べたところ、こんな記事に行き当たりました…ビートルズの曲名にあるんですね。(伊坂作品ってビートルズよく出てきてましたっけ?違ったかな?)

『かねてから黒人公民権運動を支持していたポール・マッカートニーは、「Blackbird」という言葉に「Black=黒人、Bird=女性」という意味を込め、「暗闇に向かってはばたけ」つまり「自由になれ」というメッセージを歌ったのです。』

繭美は白人ブロンド設定なので、ここにそのまま当てはまる訳では無いのですが、なんとなくドンピシャ!と思ってしまった…

実際は「Bye Bye Blackbird」というジャズの曲名から採ったようなのですが。(wiki調べ。あとwiki見てビックリしたのは太宰の「グッド・バイ」のオマージュだったんですね…全然気づかなかった!なるほど)

凄く考えられたタイトルだなと思った。いいラストでした。
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