真田ピロシキ

バイオハザードの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

バイオハザード(2022年製作のドラマ)
2.5
バイオハザードという大まかな世界観だけ借りて、既存キャラクターは全くの別人なウェスカーしか出さずに自分達のバイオハザードをやるという意気込みは買いたい。ウェスカーを黒人にしたのも未だに主要キャラの大半を白人が占めている時代錯誤な原作へのアンチテーゼになっててそこは好意的に受け止められる。ゲームに限らず原作に忠実にやるだけでは面白みがないし、アンダーソン版みたく原作の人気キャラをオリジナル主人公の引き立て役にするようではムカつく。それよりこのくらい潔い方が良いですよ。しかしそれも面白ければという前提がありまして…

ゾンビドラマとしては数は多くて頑張ろうとしている。でもそれだけ。ユニークな動きは特になく、嗅覚で察知しているという設定はあるものの、それが特に話を盛り上げることもない。ゾンビ以外のクリーチャーも結構出てて、リッカーの登場回はスリリングな時もあって楽しめて、巨大蜘蛛に真っ二つにされたりと景気の良いゴアは度々ある。そういうのを求めるなら選択としてありではないでしょうか。

人間はつまらん。特に悪役を中心にサイコな感じの人達が数名いるが、どいつもこいつもただハイテンションなだけでサイコと言うより単なるラリった人くらいにしか見えない。大人ビリーが何の意味もなく味方もドローンに撃ち殺させてるのとか何なん?サイコを気取らせていれば何をやっても許される訳じゃないんだ。イカれてるなりにも行動原理がなければただの支離滅裂なキャラクターでしかありません。主人公もアホに見えて魅力を感じ取れない。船内にゾンビ持ち込んで実験しようとするとか急いでしなきゃいけない必然性があったとも思えないし、案の定大惨事でどう受け止めろと。娘の行動も意味不明。ウェスカー遺伝子の考えは理解に苦しむ。

そんなしょっぱいドラマでしたが、最終回の「エイダ・ウォン 秋葉原」の字面のインパクトには爆笑。私はしょうもないゲームの映像化を愛しているので、こんなドラマでも続きがあったら見ますよ。十中八九1シーズン打ち切りでしょうけど。