空

秘密の森の空のネタバレレビュー・内容・結末

秘密の森(2017年製作のドラマ)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

1話と2話を時間を置いて2回見たけどけどその先が見たいと思えず、ハマれなかった1年前。

最近『インサイダーズ内部者たち』で検事を演じたチョ・スンウにハマり、同じ検事役だったことを思い出し再視聴〜何とか完走。
チョ・スンウは映画同様いや上回るカッコ良さでもっと好きになったけど、やっぱりストーリーがいまいち。

回収しきれてない伏線が多数、ミスリードばかりで、その割に発端となった殺人事件の犯人とその動機はほぼ伏線のないまま最終話直前で本人の自分語りであっさり判明するという唐突感。 

ウンスのお葬式で皆が一瞬誰かと驚くほど、初めて皆の前で感情を爆発させたシモクが、犯人にはどういった感情を見せるのか(そこ大事)楽しみにしてたのに取り調べもなくうやむや。
イ・チャンジュンの最後のあの行動もその後の語りも唐突すぎ。ソ・ドンジェも意味不明・・

登場人物全員が思いつきで勝手に行動し、それが意味深な演出なもんだから全員怪しく見えて、それに主人公と視聴者が振り回されて、結局何一つ解決していないというのが最終話直前まで続く。
この振り回されることが面白いと感じるかどうかでこのドラマの評価が分かれると思った。
このドラマを絶賛してる人たちはこのバラバラに散りばめられた全ての謎を理解してないよね?感想が抽象的なのはそのためだと思った。

この登場人物たちのバラバラな行動の掘り下げが浅く、特任チーム員相互の関係性や絆といった心理描写も軽くしか描かれていないので、解散しても感情揺さぶられない。
ここをもっと丁寧に描いてくれてたら、ユン課長が最終話で言った「生きた心地がした」というセリフも説得力が増したと思う(俳優さんの演技は素晴らし過ぎた)

シモクの抱える病の設定も生かしきれてなくて残念。病気のせいで両親と不仲を匂わすような描写が一度だけあったけどその後スルー💧
この脚本家さん、次から次へと色んな発想が浮かんでくるけど処理できてなくて一つ一つがバラバラで投げっぱなし。
発想やアイデアは素晴らしいのに勿体無い。

役者さんは皆素晴らしく、特にチョ・スンウ演じたシモクの、感情がないわけではないという絶妙な表情はお見事だったし、
ペ・ドゥナの人情に熱く自然体でキュートな女刑事は実際にどこかにいそうで、シモクを人として尊重しありのままを受け止めている感じがちゃんと表現されていた。

スタイリッシュでキレのある映像と演出、ふいに流れる感傷的な音楽。ドラマで初めて導入されたという琥珀色のフィルターのかかった映像美。
一人の人物をいろんな角度から撮っていたり、一つ一つのカットもめちゃくちゃカッコ良くてさすがスタジオドラゴン作品。
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