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刑事アフター5のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

刑事アフター5(2020年製作のドラマ)
4.0
本作は、主人公・広橋航(尾上菊之助)が、働き方改革の一環で、9時5時勤務・残業ゼロという、刑事という職業では絶対にあり得なかった勤務体系で事件を解決していくスペシャルドラマである。
連続勤務20時間以上は当たり前。班長の広橋は今日も犯人逮捕のために張り込みをしていた。時間は17時前。彼らの張り込みに気づいた容疑者が逃走を図ったため、追いかけていると、目の前に車が横づけ。車から降りてきたのは、労務管理コンサルタントの九路五月(玉城ティナ)。彼女は「17時になりました。交代です」と広橋に告げる。九路を無視し、容疑者を追いかけようとするも「ここからは夜勤の人たちの仕事です」と注意した。彼女曰く、本日から、広橋班は“新しい働き方推進班”になったという。半年以上をかけて追いかけてきたため、逮捕させてほしいと願うが、九路は「勤務時間外です」と突っぱねた。
その後、改めて九路が広橋班に向けて説明。超過労働・休日をとっていないなど、ブラックな働き方をする広橋班には、8時間を超える労働には45分の休憩、有休消化の義務化といった、様々な働き方を提案するも、広橋は「無理に決まっているだろ!」と怒りを露わにした。そんな中、料理教室の人気講師・越谷(賀集利樹)が殺害されたとの一報が。現場に急行する広橋班だが、そこにも彼女はやってきた。
九路が制作したシフトによると、この日、広橋は半休。捜査続行を迫るも、九路は「今のような勤務環境で働けば、肉体的、精神的に追い込まれ、過労死する可能性も高まります」と注意した。働きたくてうずうずしている広橋は、越谷が経営していたクッキングスタジオに“レッスン体験者”として潜入。そこで料理をしつつ、聞き込みをしていく。
教室が終わって外に出ると九路が目の前に。被害者が関係する現場にいたことに不審に思った彼女が理由を問うと「時間ができたから習い事を始めようと思って」と切り返した。うまく理由をつけてその場を逃れようとするが、すぐにバレてしまい「関係者への聞き込み目当ての習い事は勤務とみなします」と怒られてしまった。その後も、働き方改革を受け入れながら、事件解決に奔走していくが……。
刑事ドラマ界にも、ついに働き方改革が導入!
労務管理者の九路にシフト勤務や健康診断を指導され、定時退社して家族に驚かれたり、アフターファイブで始めたアルゼンチンタンゴが捜査に役立ったり本格的にハマったり、労務管理者の九路から班員のハンチョウが知らなかった適性を知りより効率的な捜査を、広橋ハンチョウと九路がぶつかり合いながら働き方改革に乗っ取った捜査をしていくのが、刑事ドラマのお約束を逆手に取った展開で進んでいくのがユニークで、刑事ドラマから出てきたような広橋刑事と現代っ子そのものの九路のユニークなバディものとして楽しめる刑事コメディドラマ。
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