EDDIE

First Love 初恋のEDDIEのレビュー・感想・評価

First Love 初恋(2022年製作のドラマ)
4.3
フィクションというドラマだから為せる夢物語のもたらす感動に感服。素晴らしい恋愛ドラマだ。
高校生時代と大人時代の二つの時代を交互に映し出しながら、中盤には大きなサプライズを仕掛けてくる演出に唖然。
だからこそ、その後の奇跡のような展開に心打たれるし感動してしまう。

宇多田ヒカルの同名楽曲二つとの重なる部分も物語にしっかりと奥行きを持たせており、ドラマを観たら「FIRST LOVE」が聴きたくなるのは確実だろう。

一つだけ残念ながらだったのは高校生役と大人役それぞれの也英が同一人物と思えなかった点。
もちろん表現や仕草の面では八木莉可子は実によくやっていたけども、“喋り”の方で違和感が拭えなかった。少し滑舌が悪く若干カタコトっぽく聴こえてしまう日本語が、満島ひかりの喋り方とは明らかに異なるため、ドラマとしての連続性の部分で足枷になった。
ただ出来るだけに彼女に近づけようと寄り添った演技をしていた満島ひかりの表現力の高さには改めて感服したところではある。

▼Twitterに投稿した各話短評

◆ 第1話、Netflix
“リラの花咲く頃”
「好きな食べ物は何ですか?」
甘酸っぱい高校生の恋愛。文脈を読むということ。宇多田ヒカルの同名楽曲からインスパイアされたドラマ。
高校生の頃の彼らと今大人になっている彼らがどこかで繋がってくるのだろう。微笑ましい。

◆ 第2話
“きみの声”
映画「タイタニック」の真似事。恥ずかしげもなくやっちゃう高校生カップルが可愛らしい。
現在の時間軸ではかつての初恋の人を探す佐藤健。満島ひかりは色んな事情があって子持ちのタクシー運転手。こんな2人が再会するってどんな確率だろう。

◆ 第3話
“ナポリタン”
うっひゃー!そういうことですか。
高校〜大学時代と想い合っていた2人。それぞれは大人になって別々の道を歩んだ…そんな筋書きではなかった。
なるほど、2話で2人が顔を合わせた時の違和感の理由がわかった。3話にしていきなりの急展開!

◆ 第4話
“Space Oddity”
急な新展開から切なさ募るばかり。
2人の間にそんな出来事が…大人になった2人がここで近づいてまた惹かれ合う。
こんな出来過ぎた物語があるものか。記憶というのはなんと脆いものだろうか。ナポリタンを美味そうに食べる満島ひかりが良い。

◆ 第5話
“Talk in Sign Language”
大号泣エピソード。これはたまらん。
也英が晴道の妹の優雨と会話するために以前覚えた手話。それが物語にこんな形で作用するなんて。
幸せな結婚式、そして深いシコリを残した今。そしてこのドラマでも夏帆は不遇を被るのだろうか。

◆ 第6話
“The Six Sense”
飴玉と磁石と懐中電灯。
まるであの頃の也英がそのままそこにいるかのよう。
遠出して父親に会いに行ったあの頃。彼は彼女のためにいい男であり続けると誓った。
そして今、晴道と也英は運命的に惹かれ合い、もう一度歩み出そうとしている。

◆ 第7話
“夢のあとさき”
「間違いとわかってて進み続けるのは地獄」
かわたれ時に語り合う2人の会話がずっと続けばいいのにと願う。
也英がCAになり、そして辞めた理由。息子と一緒に住み、働き続けた…まさにそれではダメだとわかりながらも進み続けたが故の地獄。

◆ 第8話
“或る午後のプルースト効果”
「傷ついたってみっともなくたって人生は飛び込まなくちゃ!」
このセリフが満島ひかりを後押し。しかも前半の佐藤健と夏帆の馴れ初めで語られる記憶の話、濱田岳のきっかけの話、これらが密接に繋がった結末までの構成はお見事。

◆ 第9話
“初恋”
「運命を確信した」
記憶の欠如を乗り越え、初恋が実る瞬間。宇多田ヒカルの同名楽曲2曲からインスパイアされて紡ぎ出された物語はあまりにも壮大で感動的。
もちろん出来過ぎだとも思うが、フィクションだからこそ為せる夢物語と言える。素晴らしい!
EDDIE

EDDIE