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ボーイズ・ドント・クライのHKのレビュー・感想・評価

ボーイズ・ドント・クライ(1999年製作の映画)
3.9
ヒラリースワンクの出世作にして、アメリカに根付く性同一性障害者差別を抉り出した社会派映画。監督は後にキャリーのリブート版を手掛けるキンバリー・ピアース

この人も「ミリオンダラーベイビー」でもそうだけど悲惨な目に遭う役が多いな。しかも大体ボーイッシュな性格のキャラやると大体こうなる。

アメリカ人は昔から、何かを区別したがる。よくよく区別と差別は違うと阿保抜かす奴がいるけど、完璧にピューリタンの時から引き継がれた自分たち白人を特別視する大本の考えが黒人やインディアンと白人を分け、男と女を分けて、中途半端な存在を罪として葬ってしまうのである。まさに合理主義の極致を行った結果、とんでもないアイデンティティを遺伝子レベルで残させてしまった。

「アメリカンヒストリーX」が黒人差別を見事に抉り出したと言えるのであれば、この作品はLGBTに対する差別意識を抉り出した作品ともいえよう。本当の意味でのピュアな愛を育もうとしているのに、あの家族は”彼”の真実を知った途端に化け物のように追い払い、挙句暴行・レ〇プする。

それでもめげずに町を出ようとする二人を襲う更なる悲劇。おまけにこれが現実に90年代にあったと知ると、正にこの手の差別はアメリカに根付く本当の意味で深刻な問題だと言えよう。あの兄弟だって、俳優さんの演技もあるかもしれないが、ろくでなしだが悪い奴には見えなかった。まあ、最終的にとんでもないことするから同情は出来ないけど、でもこんなLGBTに対する偏見がなければ、こんなことには至らなかったのかもしれない。

やはり、LGBT差別はいけないということが分かる内容であった。

ただね。一つだけネックになってしまったことがある。

流石に声でばれない?
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