このレビューはネタバレを含みます
赤ずきん先生。。。
テレビドラマクオリティのサスペンス脚本に、コメディはいつもの個人技。
いや、まあまあ面白かったんだけど、真矢みきとムロツヨシと佐藤二郎とか。
赤ずきん先生のツッコミはもう少しスムーズにほしい。
おそらく美術やVFXにNetflix予算をかけたのだろうけど、美術の説得力や質感にはこだわらず「全員ちゃんとフルで着てる」みたいな予算の掛け方。
なにあの床の模様。。。
日本のスタジオはたとえ予算が使えても、ノウハウがなくて「いつもの安っぽいやつの豪華版」みたいなことしかできない。
ふざけるのかちゃんとやるのか、ふざけるなら中途半端にお金かけない方が。。
舞踏会の空気感とか、王様まわり、壁とか床、部屋の隅の手持ち無沙汰感とかかなり安っぽいのに、その割にひとつひとつは無駄に主張してくる豪華さなんだけど、色や質感はおかしい、という。。。
赤ずきんの衣装のちょうちょとかボケてるのかわからない。
王子がちょっと不安になる顔。
1人だけ目が据わっていないというか。
一つ前のジャニーズとか、エグザイルのイケメンの定義がよくわからん。
何もわかってなさそう、みたいな要素が必要なの?
少なくとも目でいろいろと表せないのは映画俳優としては致命的。
メタ読みポイントとしては、被害者属性が悪側だと、犯人がやむを得ない動機で殺した善側もいける。情状酌量エンドも。
だけど今回は情状酌量路線は一切無しで、本命彼女のトゥルーエンド仕様。
シンデレラ普通にかわいそうかも。
「あなたの犯罪計画はどうしてそんなに杜撰なの?」とか言われても犯罪計画じゃないし。
「殺人の動機はあなたが美しかったから」も意味不明。
マルゴーとだけちゃんと示談すれば、正当防衛でいける。
馬車時の死体遺棄に関しては赤ずきんが主導でやってたし。
ハンスがやりたい放題だったことは王家のガバナンスの問題でもある。
少し考えると、レミが姿を消したのも、シンデレラが情状酌量されないのも、すべて王子が全然気が付かないからなんだよな。。。
王子にもう少し主体性があれば先回りして解決できるパワーがあるのに。
そういう意味では、今回の王子は頭回ってなさそうなので合ってる。
まあ脚本としては、「王子あやしい」「レミ失踪」「シンデレラやる」が必要でそれの原因がすべてハンスなのはあまりにご都合ハンス。
あとはシンデレラが証拠を残していてそれを解決編で突きつければOK。
王子、レミ、シンデレラの3人がすべてハンスからの損害があるので、思わず実行したシンデレラだけは厳しく突き放し、ハンスがいなくなった利益で王子とレミはハッピーエンドという、気持ちの良くない構造。
元々の童話のシンデレラの、「ガラスの靴がピッタリ合う」によって「あの日の美女がこの娘だとわかる」というギミックを、「犯人だとわかる」に使ったのは良い。
王子が無実だとわかる「いばらの棘」はあまりにも弱い。
マルゴーに凶器の欠片がくっついてたのも微妙。
事前にガラスの靴1だけが渡されていたというのも微妙。
美を極端に重視する国のルッキズム的な要素はよくわからない。
普通の国でも、墓は掘り返されづらい「良い隠し場所」やろ。
シンデレラとレミの逆境を強調する効果はあるけど。
テクラ喉ガラガラなに?
エンディングのSEKAI NO OWARIはよかった。