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サウンド・オブ・ミュージックの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.5
1930年代、ナチスドイツに併合される過程のオーストリアで、修道女見習いから家庭教師となった女性、7人兄弟姉妹、彼らの父親をめぐる、音楽を介しての交流とロマンスを描いたミュージカル作品の、映画化。本作の根本的な魅力は、「私のお気に入り」「ドレミの歌」「エーデルワイス」など、それぞれ単独でも名曲である楽曲の宝庫であること、それに尽きるだろう。映画としては、「プロダクションクォリティが高く、丁寧に作りこまれている」という以外、語ることはあまりない。長尺で同じ曲が繰り返し使われるなど、冗長感は否めない。ストーリーの中心にあるのは、個性的な主人公の生き様、生徒である兄弟姉妹たちとの交流、家族ドラマとロマンスで、それらの背景に政治色が持ちこまれているのに若干の違和感があるが、原作者の実体験がベースのストーリーということで、納得はいく。ゼロから商業映画を作る場合には発想できないような素材の取り合わせで、その点では、奇跡的に生み落とされた映画といえるだろう
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