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スカーフェイスの10000lyfhのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.0
キューバからの政治亡命者の男性が、麻薬ギャングのトップに上りつめた後、破滅するまでのジェットコースター人生。ハワードホークスの同名作のリメイクだが、禁酒法時代シカゴから 1980年代マイアミと、時代と場所、そして設定と印象も大きく変わり、感覚的には緩いオマージュ作品。極悪犯罪者の主人公に感情移入こそしないが、表面的な華やかさや強がりの裏の孤独、猜疑心とそこからの恐怖心などの人間的弱さが克明に描かれ、凄絶な生き様が胸に迫る。子供を殺せないなど憎みきれないキャラ造形が絶妙だ。パチーノの成り切りの役作り、演技が圧巻。頂点時代を、80s ロックをバックに一続きのイメージシークエンスで描き、それ以前に上りつめる過程を、それ以後に転落の過程を配置するプロット構成、ベタだが均整がとれている。新シーンのエスタブリッシングで、縦横そしてズームと自在に動く、デパルマシグネチャのカメラワークも絶品。サントラは 80年代シンセをフィーチャーしたインストロックがメインで、トップガンの影響元の 1つではないか。舞台を反映しラテン風味も。また、翌年のワンアメのモリコーネを思わせる、メジャーコードに解決する感傷的なメロディが、要所で奏でられる
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