晴れない空の降らない雨

1950 鋼の第7中隊の晴れない空の降らない雨のレビュー・感想・評価

1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)
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うーん? 

まず映像の質感が古くて、今風の全てが鮮明でコントラストが強すぎる色調を予想していると面食らう。そこは時代の表現としてよいと思うのだが、CGまで古臭くしなくても笑 空母やら爆発やら、はては万里の長城まで、「おいおい大丈夫かこれ」というクオリティ。中国政府肝いりの映画だと思っていたが、案外そうでもないのか?

実写部分はさすがに頑張っていて、ちゃんと迫力ある。というかこの戦争を体現するかのごとき人海戦術。劇中で描かれる兵士の面々も、芋かじりながら旧式の武器で地べたを這いずって戦う。戦闘機に戦車にチキンにクリスマスなアメリカ軍との対比が、これでもかと強調される。

全体的にプロパガンダ感はそこまでないが、言っちゃなんだけど特攻野郎的なB級戦争映画だった。とにかくダサい。前に中国のCGアニメ映画をレビューしたときも演出に文句つけたけど、あれが山盛りで出てくる。

まぁ、ギャグとか演出のクドさとかクソダサい主題歌(歌詞は軍歌みたいだけど曲はクサいバラード。長渕みたい)、全体的にいかにもな「洗練されていない」中国をこってりと味わえるという意味では楽しかった。でも、正直もうちょっと頑張ってほしいですね、中華エンタメには(まぁこれはエンタメ映画じゃないのかもしれないけどさ)。