結局カレー

ヘルドッグスの結局カレーのレビュー・感想・評価

ヘルドッグス(2022年製作の映画)
3.4
時に武将、時にSP、時に殺し屋。キャラクターや描き方は違えどどの作品もアクション俳優・岡田准一の技とパワーを遺憾なく発揮させ、この俳優ありきの作品とも思わせるだけの存在感がある。今作も然りアクションも言わずもがなのクオリティ。さらには髭面で大人の色気と余裕を感じる実に”渋い”仕上がりだった。

物語の冒頭からヤクザの組織構成やら兼高の経歴やら説明があったものの正直一度で飲み込めずとりあえずついていったらどんどんヤクザ世界にのめり込んでく展開。女刺客を見抜くとこと室岡探しの連中を車内でパパッと相手するとこカッコよかったな。
ただ、渋かったけど軽かった。ヤクザものというと親と子の関係、仁義がものいう世界と思ってたけど割とラフな感じで重厚感に欠けた印象。兼高すげーがずっと続いて上の人たちの凄みが伝わらず緊張感も薄い。ハラハラがそんなにないから見やすかったけどね、少し物足りない。室岡のサイコパス設定も最後までいまいちわからんかったなー。理解力があって一般人とまともに話せてるしやっぱり坂口健太郎=好青年のイメージが抜けきれんのかな、どうしても育ちがよく見える。サイコというよりメンヘラ。

兼高の行動原理や正体を隠すことへの警戒心の低さだとかが理解できず、カッコいいアクションシーンを結びつけるためのストーリーにしか見えなかったのが残念。近年ヤクザ映画のヒット作が増えてるから自分の中で出来上がってるイメージが邪魔したのもあるかな〜。まぁでもカッコいいから良し。笑
検察側の罪人以来爆売れしてる酒向芳さん、いい味出してた。