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ロスバンドのskkのレビュー・感想・評価

ロスバンド(2018年製作の映画)
4.6
ノルウェーのロック好きの少年2人がロックフェスに出ることになり、新たにメンバーに加えたチェロ弾きの9歳の女の子ティルダと運転手マッティンとともにノルウェー全土を縦断する、というロードムービー
同じ北欧&同じような展開の映画として「ヘヴィ・トリップ」を思い出しますが、監督が児童映画畑の人であるこっちはトナカイを粉砕したり戦争を推進したりしない全年齢版という趣(文科省選定らしいし)

とりあえず言いたいこととして、これめっちゃ良い映画です!ちょっと気になるな、程度の当初の期待を大分上回ってくれました
この手のロードムービーってある程度形式が決まっているとは思うしその意味ではストーリーに意外性はないんですが、そうだったとしてもとにかくメイン4人のキャラクターが全員愛らしくて応援したくなります 特にチェロ弾きの女の子ティルダがいいキャラしてますね
また、途中で出会う脇役たちも薬でハイになって歌い叫ぶイカれた花嫁や定年当日の老警官といった個性豊かな面々で非常に楽しい
もちろん、メンバーたちが色々抱えた悩みや問題が道中で解決されていき、最後のライブシーンを大団円を迎える、という感動要素もきっちり用意されています
敢えて過剰な表現や馬鹿騒ぎみたいなのを控え、全体的に気軽に見れる軽いトーンでまとめてるのが非常に良い方向に作用していると思います

あえて気になる点があるとすれば、グリムの家族問題の解決が微妙にほっぽられてる気がする(ちゃんと仲直りしたのか?)のと、ティルダの家庭に関する背景はもうちょっと描写が欲しかったかな、というところ
とはいえ、ここは物語の大勢に影響はないと思いますが

笑いあり感動ありのよくできた作品で、鑑賞後にはとても幸せな気持ちになりました 青春ものロードムービーとしては非常に良い出来だと思います
その点、これ書いてる時点で上映館が都内1館なのは非常にもったいない…!もっと広がってほしいなぁと思います
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