skk

TITANE/チタンのskkのネタバレレビュー・内容・結末

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

RAWの監督の新作ということで鑑賞したのだが、思った以上に不条理な展開の連続で面食らった
幼少期に埋め込んだチタンのプレートのせいか車に惹かれて、車との子供を宿すという展開からしてとんでもないが、その後も何やかんやで女性の主人公(しかも妊娠している)が行方不明になった息子に成り代わる…と話を説明していったとしても自分で意味がわからなくなりそうな展開だらけ
RAWが割とストーリー的に明快だったと記憶しているのだが、こちらはもっと一筋縄ではいかない話だった

最初はその展開に圧倒されてしまって「何を見せられたんだ…」という気持ちだったのだが、他の見た人の話を聞いたり色々思い返すとものすごくトリッキーな形でありつつも家族の絆を再生する話なのだな、と思い当たった
何らかの理由で孤独や欠損を抱えた2人が性別や何やらを超越した家族としての絆を再生する、ということなのだろうか
終盤〜ラストの出産シーンまでの異常な熱量には訳がわからない感銘を受けてしまった

映像の表現はかなりエッジが効いていて、妊娠で大きく変容する女性の身体を容赦なく映し出す(この点、主人公役の人は脱ぎまくるし体張ってるよな)し、劇中の殺人シーンや人工中絶を試みるシーン・自傷するシーン等々かなり痛々しい
あとRAWでもクラブの爆音の中で踊るシーンがあったと思うが、今回も健在 消防署でのシーン、久々にあんなガバキック効いた音楽を聞いた気がする

異様ながらも、なかなかとんでもない映画なのかもしれない
skk

skk