ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり お母さん〜
"ワシが死んだら、おっかぁが…死ねんじゃろ"
前作も映画館で鑑賞。冒頭に前作のダイジェスト版が用意されているので、未鑑賞の方も問題なく鑑賞できます。
前作から、父は家事全般を取り仕切れるまでになり日々奮闘しているが、母の認知症は進み、さらに脳梗塞を発症し入院してしまう。父は毎日片道1時間かけて手押し車を押しながら病院に行き、母を励まし続けていた。
ありのままの母を受け止めながら、前向きに支える父の優しさを、娘である信友監督が愛情深く映し出す。
全く飾らない映像に、長年連れ添った夫婦の深い愛情は元より、御両親が娘である監督を撮影者として心から信頼し、監督も御両親を大切に想っていることが、映像の端々から伝わり、最初から最後まで涙が止まらかった。
"母が帰ってきたら世話しなければならん" と、98歳でウェイトトレーニングを始める父。父自身が手術した翌日には、スタスタと歩いてリハビリを始めたかと思うと、その1週間後には退院し早速母を見舞うなど、その気力と体力には驚くばかり。
自分の家族だったら、自分自身だったら、どうするだろうかと考えさせられる。決して他人事ではなく、誰もが直面する "老い" や "介護" について、改めて見つめ直すきっかけをくれる作品で、是非多くの人に観て欲しい。