DOGMAN ドッグマン
"人間を知る程に、犬への愛が深まる"
ある晩、警察によって停止させられたトラックには女装した男性が乗っており、荷台には何匹もの犬が乗せられていた。ドッグマンと呼ばれるその男性は、自らの半生を語り始める。
このところ当たりはずれの波が激しかったリュック・ベッソン監督。久しぶりの起死回生の1本という感じでなかなか面白かった。
物語は犬を操る主人公と精神科医の会話で過去を回想しながら、徐々にその生い立ちが明らかになっていく作りだが、その語り口が何とも絶妙でグイグイと引き込まれていく。
家族や社会から孤立する中で、主人公が唯一自己を解放できるドラァグクイーンの舞台。ステージ上でピアフやモンローになりきるパフォーマンスは、奇妙な魅力たっぷりで不思議な余韻を味わえる。
まるで何かに取り憑かれたような、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの圧倒的な演技に魅了される。たくさんの犬たちの "好演" にも目を見張るものあり。
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズはリュック・ベッソン監督がドラキュラを描く次回作への出演も決定しており、そちらも楽しみ。