エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのNorisukeのネタバレレビュー・内容・結末

コインランドリーの店主として働くエブリンは離婚したい気弱な夫と反抗期真っ盛りでガールフレンドがいる娘、中国からやってきた父との関係性や税務署とのやり取りで頭がいっぱいな日々。しかしある日、夫に乗り移った「別の宇宙の夫」から全宇宙の命運は君の手の中にある、と言われてしまう。エブリンはカンフーの達人の「別の宇宙のエブリン」の力を得てマルチバースの脅威ジョブ・トゥパキと戦うことになるが、どうやらそれは「別の宇宙の娘」らしくて…な話。

よくもまあこれだけ荒唐無稽ながらもしっかりとした脚本を作り、破綻することなく撮影したなぁ、というのが正直な感想。マルチバース、になるのかはよくわからないけれど、別の次元の分岐点で分かれてそれぞれに成功や幸福なエブリン達の力を借りて、何も取り柄がないエブリンが巨悪と戦うあらすじは面白かった。
…と思いきや、ラストはカンフーではなく愛で全ての人々を救ってしまうのも素晴らしい。アメリカのヒーローものはやたらと不幸な生い立ちが多いしエブリンも割と酷い境遇なんだけど、それでも応援したくなる泥臭さがあった。
個人的にド派手なファッションでミレニアム世代を体現した娘ちゃんと下半身モザイクかけながらも奮闘したスキンヘッドの警備員さんがお気に入り。トロフィー🏆はあんなことに使ってはいけません。