タスマニア

ドント・ウォーリー・ダーリンのタスマニアのレビュー・感想・評価

3.5
2022年101本目。

「この場所は何かおかしい」
「ここの人たちは何かおかしい」
「何だかわからないけど何かおかしい」
"空間" や "人" への言葉にできない違和感がじりじりとにじり寄ってくる快感は、主演のフローレンス・ピューの存在も手伝ってか、「ミッド・サマー」みがある。
「トゥルーマン・ショー」とかもそう。
そのような空間って、その違和感の大きさに不釣り合いなほど、いつだって妙に色合いが鮮やかで明るいもんだ。

ストーリーや展開にはある程度既視感があったり、予想がつく部分があった。
けれども、個人的には「なんだか、やだな」をどのように演出するか?の部分がすごく楽しめた。
サブリミナル的な映像が何らかのメタファーになりつつもシンプルに怖い。
あと、音の効果もすごない?なんや、あの声が重なってくるやつ。めっちゃ気味悪いし、すごく追い込まれる。

フローレンス・ピューはエッジボイス気味の絶叫や嗚咽をさせると最高やね。もともと声がハスキーな分、分かりやすい「キャー」という黄色い絶叫よりも、絶望感が溢れる声にならない叫び声の方が鬼気迫る感がある。
あと、目がすごく綺麗。

ジェンマ・チャン好き。「エターナルズ」ぐらいから気になる女優さん。
最後の最後まで目が離せないキャラクターでした。

監督のオリヴィア・ワイルドはバニー役で登場していた女優兼監督の才女。
「ブックスマート」の監督もしてたなんて、最高やん。
バニーの目の演技すごかったなぁ。空気バリバリ出てたもん。

冒頭付近で、洗面台を掃除しているシーン好き。
複数の鏡に映る姿も含めて良い。豊かな暮らし。
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