シノミー

ドント・ウォーリー・ダーリンのシノミーのレビュー・感想・評価

4.2
ようこそ。人生の楽園、ユートピアへ。

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高級な住宅街が立ち並ぶ街でアリス(#フローレンスピュー)とジャック(#ハリースタイルズ)は派手で幸せな日々を過ごしていた。
その街は選ばれたものだけが、過ごすことのできる特別な場所。
女性は男性たちの世話をして、幸せに過ごさせるため努力する。
男性は革新的な開発のために皆砂漠を超えた施設へ働きに出る。
しかし、その場所は女性たちを含む外部の者たちにとって立入禁止区域とされており、絶対に足を踏み入れてはならないところだった。

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何が起こるかわからない、終始不穏な雰囲気が漂う映画だった。

明らかに僕たちが普段過ごしている社会とは隔絶されており、観ながら色々考えてもわからなかったけど、とある仕掛けが施されていることは確か。

終盤にその仕掛けが明らかになるが、そんなオチだったとは!

女性が男性を奉仕するのは、少し前の時代っぽいなぁと思っていたが、それすらも最後までみれば、構造を理解できる。

不可解な点が多く、間違っているのは主人公か、世界か。みたいな問いが浮き上がってくる。

ジョーダン・ピール監督やアリ・アスター監督に近い何かを感じた。それらが好きな人は楽しめるんじゃないかな。

お互い幸せに生きていたい、ずっと一緒にいることが2人にとっての幸せ。それ自体は間違っていないが、それを実現するために人々は盲目になりがちだ。

本当の幸せとは何なのか。
タイトルの意味は最後にわかる。
狂っているのはどちらかも。

ただ、人によって考え方は違うから、拒絶するのも受け入れるのも自由だと思う。
主人公にとっては、耐えられなかったけどそうじゃなかった人もいたからね。

ハラハラさせられる映画で楽しかった!
シノミー

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