雪山の不審死の真実は。カンヌ最高賞受賞。
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雪山に建つ木造の一軒家で男が死亡した。
妻のサンドラ(#ザンドラヒュラー)は視覚障害者である息子のダニエル(#ミロマシャドグラネール)の悲鳴で外に夫が倒れていることを知る。
救急車が到着した時には既に生き絶えており、死因は打撃によるものであるが、他殺の可能性もあるとされた。
死因をめぐってそれぞれの供述が始まった。
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重厚な法廷サスペンス、来ました。
事故か、自殺か、それとも他殺か。
それぞれの解釈、出来事、感情、記憶、発言、その全てが証言となる。
点と点を繋ぎ合わせて見えてくるものは何なのか。解釈は人の数だけあるのだから、全てを知るものは存在しない。真実はいくつもあるが、事実は一つだけしかこの世にはない。
どこまでいっても決定的なものがなければ、真相には至らないだろう。
視聴者は、各々の証言に振り回されて何が正解かわからなくなるが、この物語の肝はそこではないような気もする。
生きとし生けるものはいつかはいなくなる。今のうちに覚悟しておくことだ。
向き合うべきはいつだって、生きている間、存在しているときだけなのに、人間は手遅れになってから考えることが多い。
きっと普段生きているだけでは、わからなくなっていて、気づきにくいだけで、向き合うべき時に向き合う精神が大事なのだと教えられた気がする。
ただやっぱり、妻が殺したのかなぁとか、でも辻褄が合わないよな、息子はお母さんを守りたいから矛盾した証言したのかなぁとか、でもやっぱりお母さん疑わしいぞ…ん…?ってなるので、集中して見て何かを感じ取って欲しい。
レンジ弁護士がイケメンで見るたびに良いキャラやなぁと思えたのと、フランスの雪山がとても綺麗だったのが印象的でした。
考える余白のある映画、大好きです。