Joey

僕らの世界が交わるまでのJoeyのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
4.0
きっと、自分は何かの真似をしていて、テレビの中の彼も彼女が語っていることは何かの引用なのであって、その引き出しが多いと賢いとか言われたりする。確かに勉強するのは大変なのだけれど、所詮は誰かのアイデアで自分のアイデアではない。自分でできるのは取捨選択ぐらい。年齢を重ねると貯めておいたフレーズで周りをドキッとさせられたりして、なんだか賢くなったと勘違いしたりもする。

何が正しいかなんて分からないけど、自分は何かに洗脳されている事だけが分かっていれば良いと思う。だから、空っぽのシギーのことは痛いほどよく分かって、こんな自分もいたなって思う。恥ずかしくて席を立ちたくなったぐらい。
自分の話しを聞いて欲しいと叫ぶエヴリンの気持ちも分かる。違う、違う!って叫びたくなる。でも、誰も聞いてくれない。最後は、皆んな失敗しろ!と思ったりもする。

救うべき世界は自分の中にあって、その世界を大事にしてくれる人が近くにいて、それだけで何百遍もの詩が書けるだろう。自分が語れる世界はそれしかない。ジギー、誰かが作った行ったこともない国を憂う詩じゃなくて、平凡なラブソングの方が説得力があったよ。近くいたら、そう言ってあげたい。
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