Joey

COUNT ME IN 魂のリズムのJoeyのレビュー・感想・評価

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)
5.0
私の父親は「おいらはドラマー、ヤクザなドラマー♪」世代だったので、小さい頃から「ドラムセットを買ってやる!」と言われて育った。でも、その約束は守られることはなく、食器やフライパン、そしてソファーを叩くのが関の山。スネアもどき、シンバルもどき、タムもどきはできても、バスドラは足を踏み鳴らすことぐらいしかできない。それと割と住宅街だったので、本当にドラムセットを買ってもらったとしても近所迷惑な不良息子になっていただろう。友達にはアマチュアドラマーがいて、彼はワンボックスカー内にドラムセットを並べ、高速道路の高架下で練習していた。知恵を絞れば何とかなるもんだ。最近は電子ドラムなんかもあって、あれだったら自宅で練習できるかもしれない。

だからと言う訳ではないけれど、コンサートでの花形はドラマーだと信じている。ロックコンサートなんかだと、何を歌っているのか聴き取り難いし、とにかく大音量なのでギターもベースもそれほどクリアではない。しかも東京ドームの天井近くに座ると反響音が凄まじい。そんな中でもドラムが刻むリズムはどこまでも心地よく、どこの席に座っていてもドラマーの顔は見えている気になる。

この映画に取り上げられたドラマーの中で唯一、コンサートでの実体験があるのはチャーリー・ワッツ。ゴリラみたいなパワフル系ではなく、華奢でスマートな印象だけれど、彼のリズムはスタジアム中に鳴り響き、曲者揃いのメンバーを統率する。ジャズ畑出身らしくレギューグリップで軽快にリズムを刻み、そして、スネアとハイハットは同時に鳴らさない。(と昔々、高橋幸宏が解説していました)チャーリー自身が後継者と指名したスティーヴ・ジョーダンを加えたストーンズの来日が待ち遠しい。

そして、実はもう一人いる。ザック・スターキーだ。この映画には登場しなかったけど、リンゴ・スターの息子で、The Whoではキース・ムーンの後継者としてドラムを担当している。生でキースを見たことはないのだけれど、二人フー+ザックのコンサートには行ったことがある。ピートとロジャーが認める後継者というか、殆どイタコ状態のザックは凄かった。CDやビデオで体験したキースそのものだった。とにかく手数が多くて、まるでオーケストラと表現されていたのが理解できる。ボンゾもそう呼ばれていたけど、これがリードドラムって感じ。

5月にはレッチリが来る。チケット、取ったのだ!早くチャドに会いたい。
Joey

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