塚原直彦

MEN 同じ顔の男たちの塚原直彦のレビュー・感想・評価

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.9
皮肉にも観客に優しい邦題サブタイトルのおかげで、作品の肝がネタバレしてしまっているコチラ。
それでも相変わらず尖りまくったA24クオリティで衝撃度は高い。

超高画質カメラによりとにかく終始画面は美しく、展開の気持ち悪さとのコントラストは抜群でアートのような美しさと不可解な恐怖が交差する様はまさに悪夢そのもの。
一人複数役を演じたロリー・キニアの怪演はおぞましくもどこか楽し気だ。(それがまた不気味なのだが…)

未だ世に蔓延る女性蔑視的概念を持つ同じ顔の男たちというメタファーだけでなく、主人公サイドも「田舎町の男は…」という偏った固定概念を持っていることを毒々しく描く。
禁断の果実を貪った人間の業は中々に深い。
塚原直彦

塚原直彦