塚原直彦

神々の山嶺の塚原直彦のレビュー・感想・評価

神々の山嶺(2021年製作の映画)
3.9
原作は夢枕獏による同名小説。
2016年には既に実写映画化済み。
作画は「孤独のグルメ」でお馴染み谷口ジローで、同氏の根強いファンが多いフランスにて制作されたアニメ版。

エヴェレスト登山史上最大のミステリー!というやけに仰々しい謎を入り口に、主人公と一緒にその謎をジリジリ追いかける冒険ミステリー。
…とは言え、謎解き要素はさして重要でなくそこには期待しない方が○

根元に描かれるのは常人では理解し得ない、己の命すら掛けた『山登り』という行為。
そこに山があるから登るのだ…とはよく言ったもので、劇中でも「一度山を覚えたら取り憑かれる。そういうものだ。」と語る台詞が冷たく胸に響く。
静寂でいて獰猛でもある雪山を美しく映し出した画力にも感動。
塚原直彦

塚原直彦