塚原直彦

ザ・メニューの塚原直彦のレビュー・感想・評価

ザ・メニュー(2022年製作の映画)
3.8
このコロナ禍を経て(という台詞もまんま劇中に飛び出す)虐げられた飲食業界をバックに、高級グルメカルチャーへの痛烈な皮肉が炸裂する一本。
これは「新説・注文の多い料理店」。

舞台となるのはミステリーではお馴染み、クローズド・サークルの代表格となる絶海の孤島。
ここに多種多様なキャラクターが集まってくる時点で何となく先が読めてしまう…のはご愛敬だが、それでもレイフ・ファインズ料理長の不気味過ぎる存在感でラストまで吸引力は落ちず。

上記のように展開自体に既視感アリアリだが、美しいセットと贅沢なメニュー達を眺めているだけでも楽しくそこに添えられた軽めのゴア描写とのバランスがデリシャス。
何より今やトップスターのアニャ・テイラー=ジョイの男前さに惚れ惚れし、ファインズと対峙しても引けを取らない演技にお腹も一杯で満足度高し。
塚原直彦

塚原直彦