「どうやら悪い夢を見ていたようだ…」
観賞後はまさにそんな言葉がハマるシュールな怪作スリラー。
舞台は神秘的な霧に包まれ静まり返る、凍てつくアイスランドの荒野。
まずはこの作品全編に渡る冗長なスローテンポに乗れるかが肝だが、風土特有の伝承の如き怪奇譚として仕上げたセンスの良さが光る。(山羊から悪魔を想像するのは容易だが)
登場人物と同じく、我々観客もいつの間にか異様な何かに徐々に飲み込まれていく禍々しさ。
やもするとチープな世にも奇妙な物語に成りかねないが、A24が北米での配給権を獲得したというのも納得のへんてこカルト具合。