へそから電源ケーブルが生えて、充電がないと生きられない「充電人」になってしまった男の話。SSFF映画祭にて。
VFXを活かしたSFコメディなので、「世にも奇妙な物語」的な世界観はあるけど、大きな話になりすぎず「イルミネーションデートの成功」が最大のミッションだったりするので、自主映画の規模感。やりたいことは近くて勉強になったし、下ネタチックなオチは笑えた。
「魔法のランプ」系ジャンルに分類されると思うけど、ヒーロー映画にも近いストーリーで、
特殊能力発生→解決しようと奮闘→勝手がわかって調子に乗る→ミッション(サブプロット)が発生→いいところを見せる→最大のピンチが発生→自己犠牲でハッピーエンド
というお決まりの流れに沿っていたと思う。
いくつか気になったのは...
・別に充電無くなったからといって「死ぬのか?俺?」とはならなくないか?(彼女にバレるというリスクまではわかるものの)
・メッセージが「みんな変わってるけど、ピタッとハマる運命の相手と出会ってビビッとくる」なのはなるほど〜と思ったけど、主人公の根源的な悩みが外的に与えられた身体的特徴ということにとどまってしまっていいのだろうか。引っ込み思案でうまく話せないとか、ピンチになると緊張してしまうとか、生来的な短所を能力で乗り越えた方が、もっと奥行きが出たように感じる
・比喩として「働きすぎて充電が切れそう」「そろそろ推しで充電したいな〜」みたいなこと聞くし、展開としてそういう言葉起点のアイデアもあったのかなと思った。
映像技術が高くて、映画監督の枠を超えて、監督脚本映像まで全てやっている新世代映像作家という点では見習いたい。ちょっと過剰な演出も多いかなと思うけど、画面の設計とか丁寧だし、エンドロールに「人」をつけていくようなユーモアとかも好き。
https://www.shortshortsonline.org/videos/japan-001-judenchu
memo
・初めにタイトルから思いついてアイデアを広げた。充電中と充電人。コロナ禍の寂しさもあったのかもしれない。ぶっ飛んだ設定が好き。
・2日間で撮影。外→部屋。遊園地は、関東三大夜景の相模湖イルミリオン。休館日に貸切。2月で終わるギリギリだったので奇跡。