このレビューはネタバレを含みます
初めて観た時はなんでこんな無駄に全てが美しいのか良く分からなかったけど、時を経て4Kでさらに美しくなったのを観ると、あ。思い出補正なのかな。と妙に腑に落ちた。
忘れる事のできない何かを積み重ねて大人になってそうやって何もかもを美しく保存しておけば案外現在進行形の出来事なんて小さな事だし、いかに美しく保存して思い出すかを考えればだいたいのことは気にならなくなるのかもしれない。
過去ではなく今に生きているからこそそういう技術のようなものを身につけられたら何かが楽になるのかもしれないし、なんか私もそういうところにもう少しで到達できそうだ。
チャイナドレスに包まれたマギーチャンの美しさと、トニーレオンの目力、後半の印象的な赤。
そして同じもの買って来てしまうのバカなのか?が、妙に印象に残っていたのだけど、改めて見るとマギーチャンの跳ね上げたアイラインやいつも中指に光る指輪、トニーレオンのガチガチに固めた髪、赤だけじゃない色やむしろ光や影やとにかく何もかもが独特で綺麗だ。
この二人の間の何かは色恋とは違って見える。彼がアンコールワットに封印したのはどんな思いだったのか、やっぱりよく分からなかった。
これはもしかして一生分からないパターンなのか。寂しいな。
98分しかないのがとても意外。なんだかずっともっと長い映画だと思ってたな。