mimitakoyaki

スマホを落としただけなのにのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

3.6
スマホを落としただけなのに、凶悪犯罪に巻き込まれる話です。
もともとは日本の作品を韓国でリメイクしたもので、日本のオリジナルの方は未見です。

あの小さな機械が、自分の分身のようになってしまっていて、その中に全てが詰まっていて、スマホなしに生きていけなくなってしまってるので、こういうことがあり得ると思うと、ほんとに恐ろしくてゾッとしました。

スマホが手元にないと不安になってしまう程に、すっかりスマホに頼り依存しているわけで、その自分の全てが詰まったスマホが明確な悪意を持った人間に奪われるとどうなるのか、スマホを拾った男の手慣れた手口は見事で、なるほど、こんな風に個人情報が抜き取られるんだなと勉強になるところもありました。

自分の行動のすべてが丸裸になるし、住所や名前などの個人情報はもちろんのこと、スケジュール、LINEやメールのやり取り、銀行口座、買ったもの、好きなこと嫌いなこと、人間関係も何もかもが知られてしまうのが怖すぎます。
果ては、人を操ったり、本人になりすまして他人を騙したり陥れたりして、人間関係や社会的信用までも貶めるというエグさ…。

私自身、つい最近、クレジットカードが何者かに不正利用されて、カード会社から連絡があるまで気付かなかったのですが、こういうことがあり得るのは知っていても、まさか自分の身に起きるとは…とショックでした。
だから、この作品の犯人は紛れもないガチのサイコパスで最悪のケースを描いていますが、これに近いことが起きる事って十分にあり得ると思えました。

スマホを落としてしまう主人公をチョンウヒが演じています。
チャーミングで人柄の良い、それでいて強い女性がハマっていました。
また、スマホを拾ったサイコ野郎にはイムシワンが。
「非情宣言」でも気味の悪いサイコ役をやっていて、わたしなんかは未だに頑張り屋さんのチャングレ(ミセン)のイメージを持ってしまいますが、ほんとに色んな役柄に意欲的に挑戦してると思います。
そして、キムヒウォン、パクホサンなどのおじさん名優も嬉しいです。

あまりにもスマホに頼りすぎてる今の時代に、こういうのを見ると身につまされるし、スマホに依存し過ぎるのもリスクがあるなと思うのですが、わかってはいてもなかなか難しいもので、考えさせられました。

キムヒウォン 12作目
パクホサン 11作目
キルヘヨン 11作目

8
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