銀色のファクシミリ

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版の銀色のファクシミリのレビュー・感想・評価

3.3
『#ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(米/2022)
4Kリマスター版を劇場にて。50年以上も過去の作品なので古さは感じるものの、さすがゾンビ映画の原点。必要な要素はもう全て入っている。特に、絶体絶命の窮地でも団結しきれない「普通の人々」の破滅していく様は、無情で悲惨。

感想。冒頭は記憶どおりで、中盤は見た記憶のあるシーンもちらほら。お食事シーンとか。しかしラストは90年リメイク版のほうを覚えていたらしく、オリジナル版ラストの無情感もまた良し。

ジャンルの精神とも云うべき「社会批判」と「団結しない人々」の描写は白眉で、誰もが窮地を認識しているのに、個々の事情に我欲と短慮まで絡んで事態は混迷する。権力に不満も不信もあるけど、リーダー不在の集団の脆さも見せつける。この「やるせなさ」もゾンビ映画らしさ。感想オシマイ。