銀色のファクシミリ

世界は今日から君のものの銀色のファクシミリのレビュー・感想・評価

世界は今日から君のもの(2017年製作の映画)
3.7
『#世界は今日から君のもの』(2017/日)
自宅にて。小沼真実(門脇麦)は、高校の頃から5年間引きこもっている。それでも最近は少しづつだが働き始め、父のすすめでゲーム会社のデバッグの仕事につき、そこでハプニング的に真実の絵の才能が注目されて...という物語。

感想。彼女の画才は役立つものの、物語の軸は「自分で決めていく」ということのほう。出来ることと出来ないことを経験しながら、自分自身と向き合っていく。歩みは遅いけど、言い訳や反論をせずに、まずは取り組んでみるという素直さが、才能以上に彼女の長所と思えた。

周囲の様々なアドバイスの中から、一歩づつでも自立していく道を選んだ真美。空を見上げて歩くラストシーンと、「世界は今日から君のもの」というタイトルが温かく優しい。コメディー調の作風と門脇麦さんのコケットなキャラが、話を重くし過ぎない点も良かった。

そんな主人公の父(マキタスポーツ)も、リストラ的な出向人事で慣れないカフェの店長として務めている。せわしない日々の中でも彼なりに娘を案じ、徐々に仕事に慣れてきて近所のニートの青年を店で雇用する優しさを見せる。彼らの「世界は今日から君のもの」を描いているのもいい感じ。感想オシマイ。