しゅん

聖地には蜘蛛が巣を張るのしゅんのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
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メフディ・バジェスタニ演じるサイードの目の焦点の合わなさと、サイードが妻と性交するときに見た、殺した女の足の裏。首と脚を強く示し、ボディはいつも隠される。もちろん、イランという場所が体を見せないイスラムの文化圏であることは本作を観ていれば十分に理解できるが、この胴体の希薄さはそれ以上に「spider」の儚さを示している。そして、胴体の存在感を一番強く発揮しているのは、死体を演技するサイードの娘だ。その身体の強さに、本作が賭けているものが宿っている。
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