自己満足点 81点
おめでとう、作品の出来はキングダム超えです！！
日露戦争直後の北海道を舞台に、軍人の杉元佐一とアイヌの少女アシㇼパが金塊を巡る争奪戦に挑む物語。
人気漫画であり、アクションやアドベンチャー、歴史時代劇やグルメ、アイヌ要素など、様々なジャンルが盛り込まれた(文字通り)闇鍋ウエスタンなだけに実写化のハードルは高いと思っていました。
自分も正直期待値は高くなかったのですが、それを遥かに超えてくる満足度の高い作品でした！
まず冒頭から凄い！
杉元が参加した203高地の戦闘シーンが描かれます。
日露戦争で最も悲惨で過酷だった戦闘と言われ、杉元の心を蝕むきっかけを作った重要な場面ですが、NHKの「坂の上の雲」を彷彿とさせるほどの壮大で迫力があります！なおかつ流血も容赦なく映して残酷さと悲惨さもしっかり描く姿勢が観ていて嬉しかったです。
アクションに関しては一部CG感が目立って不自然な部分はあったものの、基本的には臨場感があって良かったと思います。
特に山崎賢人演じる杉元と真栄田郷敦演じる尾形との戦闘シーンが良かったです。
杉元を演じた山崎賢人は剣や銃での戦闘は「キングダム」から受け継がれていて卓越さがあり、本人が実際にリアルスタントを行ってました。彼は着実にアクションスターの道をかけ上がっていますね(笑)
演技面も違和感なく観ていられました。
アシㇼパを演じた山田杏奈は正直観る前は年齢がかけ離れてて不安だったものの、観た後はすっかり「彼女しかいない！」と感じてしまうくらい良かったです！
鶴見中尉役の玉木宏は逆に観る前から期待しており、その期待以上の演技を魅せてくれていました。
そして、一番重要なアイヌ文化。
これは上映される前から賛否が巻き起こってハードルは一番高かったと思います。
アシㇼパ役の山田杏奈もアチャ役の井浦新もアイヌ人ではないですが、衣装や住居、小道具等の細部にわたって本当にリアルで凄い！
ちなみに、アシㇼパの大叔父を演じた方は秋辺デボさんという本物のアイヌの方だとか。本作では演じる以外にアイヌ監修も行っているとの事で、そこが本作のアイヌ要素のリアルさに繋がっているのかもしれないですね。
特別ガッカリした点は無いものの、強いてあげるなら音楽。
壮大さはあって良い曲はあるものの、正直多すぎます。
これだけ素晴らしいロケーションにこだわっているので音楽ではなく映像だけで強く演出する場面があっても良かった気がします。
本作はまだ漫画の中では序盤しか描いておりませんが、作品の出来が良いだけに今後何本も製作してシリーズ化してほしいですね！
難しい原作をここまで再現させたスタッフやキャストに敬意を表し、感謝したいです。
ヒンナヒンナ！
