「みなさんは”祈り”を信じていますか?」
友達と暗い部屋で裸で観ても楽しめる怖さ。
全盛期のJホラーファンはきっと好きになるアジアンホラー。
なんだか気味が悪くて、いや~な悪寒を感じたり、ぞわっと鳥肌が立つような怖さ。この先見続けるのが不安になる感覚。スプラッター系とかゾンビ系ホラーでは味わえないホラーが得意としていた種々の恐怖がそこにあった。
結構時系列があっちこっちに飛ぶので、そこだけちょっとわかりにくさを感じたが、ストーリー自体はそんなに複雑ではない。かつ、ほとんど休む暇なく脅かしてくるからテンポは良い。
土着信仰の禁忌を破り、目の前のことから逃げてきたルオナン。だが、彼女の軽はずみな行動は愚かさからきているのではなく、好奇心や親切心、そして母性。観客は、ルオナンに共感し、応援するだろう。そして、呪いをもたらす神である「大黒仏母」や、自らの富を求めるがゆえに恐ろしい神を信仰する人々を否定したくなるだろう。
だが、観客はずっとルオナンに裏切られていた。これが『呪詛』の最も恐ろしいところであり、ホラー映画としてずる賢いところでもある。呪いを不特定多数に拡散するのは最早鉄板に近いがそこに持って行き方が斬新だった。
ドゥオドゥオのその後も呪いが続く?続編があるようだし、楽しみ!