東京国際映画祭学生応援団

パシフィクションの東京国際映画祭学生応援団のレビュー・感想・評価

パシフィクション(2022年製作の映画)
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第35回東京国際映画祭
ワールド・フォーカス『パシフィクション』

カンヌ国際映画祭のコンペティションに出品された作品です。

南太平洋に浮かぶフランス領ポリネシアのタヒチを舞台に、仏人高等弁務官が、現地の人々と交流しつつ、政治的な問題を解決しようとする話です。

冒頭から幻想的で色彩豊かな映像が広がり、その後も何度も映像美に感動させられました。特に、昼の海でサーフィンや水上バイクをするシーンは、今でもはっきりと思い出せるくらい美しかったです。

物語はサスペンス的な要素がありつつも、ハラハラドキドキするというよりは、映画のゆったりとしたリズムに身を任せ、主人公の高等弁務官が島を行き来する姿を見つめるような映画だと思いました。

無意味というか、物語が進行していないシーンも沢山あり、尚且つワンシーンワンシーンがそれなりの長さで描かれます。正直少し退屈ですが、それが逆にリアルな空気を醸し出して、一般的な映画では意識されにくい、主人公の「日常」を強く意識させられ、新鮮な映画体験だったと思います。

高等弁務官を演じるブノワ・マジメルがとてもかっこよかったです!

文:たくみ