ザ・メニューのhanaのネタバレレビュー・内容・結末

ポスターを見て想像していたイメージと全く異なっていた。ミステリーの枠で考えると、ありそうでなかった展開が刺激的で、凄く面白く観れた。

孤島にある一流レストランを訪れた富裕層の客たち。料理を楽しみに待つ彼らの前に現れたシェフのスローヴィクは、今までとは違う風変わりなコース料理で客をもてなしていく。

コースが始まってからの違和感は不穏さへと変わり、恐怖が徐々に増していってカオスに発展していく。この移り変わりが見事だった。
スローヴィクは勿論怖いけど、何が起こっても動じないで働き蜂のように動く料理人たちが更に怖い。

経営者や客から料理に口出しされ続けて、好きだった筈の仕事が全く楽しめなくなった点は同情するけど、このクレイジーで自己満な復讐劇に巻き込まれる客たちがお気の毒過ぎる。

皆がパニックになる中、淡々と食べ続けるタイラーがシュール。マーゴへの仕打ちが酷すぎて、彼が一番罪深く思えてくる。

アニャ・テイラー・ジョイはこういうミステリアスで強くて逞しい役がぴったり。クイーンズギャンビットに続く赤髪で、前髪ありだと別人のように雰囲気が変わる。魅力的な人だなと改めて思った。