観るのを楽しみにしていたジャック・リヴェットの作品。4時間なので一気見できず、2日に分けての鑑賞。
画家フレンホーフェルは、10年前に中断した絵「諍い女」のモデルにぴったりな女性マリアンヌと出会う。緑に囲まれたお城のような屋敷にあるアトリエで、二人は描画のための時間を過ごしていく。
筆を手に取りスケッチをする、その後は輪郭付けてカラーも加えていく。言葉にすると単純に聞こえるが、長回しの映像で見てみると、画家の手先の動きがまるでマジシャンのようで魅了された。
マリアンヌの裸体は彫刻のような曲線美で、美しい顔には凹凸があって、彼女自身が芸術品のよう。フレンホーフェルが彼女を描きたくなるのも分かる。
アトリエという密室で彼女は身体を曝け出し、画家は絵を通して心を曝け出していく。親密になったり険悪になったりと波のある二人がセクシュアルな関係に発展するのか、凄く興味をそそられた。
キーパーソンは妻のリズで、元モデルとして夫の仕事を尊敬し応援したい気持ちとマリアンヌの美しい姿への羨望や恐れ、夫婦関係が変化することへの不安等複雑な心境をジェーン・バーキンが見事に表現していた。