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イコライザー THE FINALのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
3.8
【一言で言うと】
「終の“後始末”」

[あらすじ]
シチリアでの事件で負傷し心身ともに限界を迎えたマッコールは、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町にたどり着く。身内のように温かく接してくれる人々の存在に救われた彼は、この町を安住の地にすることを心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する。しかしその町にも魔の手が迫り、マッコールは大切な人々を守るため再びイコライザーの仕事を開始する...。

安定の面白さ。もはや1,2に共通していたトラップやギミックを駆使して敵を殺す要素は皆無に等しい状態ではあったが、それでもアクション然りマッコールさんの魅力然り安定した面白さを味わえるという意味では本当に劇場で観て良かったと思える力強い見応えがあった。

シリーズ3作目にしてマッコールさんの必殺仕事人遍歴も遂に最終章を迎えるというわけですが、まだまだシリーズを続けて欲しいと思う反面デンゼル・ワシントンってもう70近いんだよな😅…なんて思ったりして...まぁ区切りを付けるには丁度いいと思うし、むしろあの年齢でアクションを熟せるバイタリティはやっぱ凄いですよね(・・;)...未だに68歳っていうイメージが湧かないんですから笑。

とまぁ内容に入っていくとして、とにかくバイオレンス描写の力の入れようがハンパなかった。シリーズ初のR15も伊達じゃない抹殺の容赦無さも見応え満点でしたし、なんと言っても前半で蓄積された“怒り”が後半で思う存分に解放させるあの“爽快感”。マッコールさんの静かな怒りが敵の瞬殺へと繋がるように、我々観客の蓄積された鬱憤も見事に消え失せる清々しさをも感じましたね😆

それにロバート・マッコールというキャラから滲み出る知力が冴え渡ったスマートさもイコライザーシリーズならではの“魅力”の一つでもあり、敵を瞬く間に殺す果てしない“最強さ”はもちろんのこと、ダコタ・ファニング演じるCIA職員にヒントを提供したり助言をしたりするあの肝の据わった冷静沈着さがマジでカッコいいんですよね...それに加えてジョークを交えたユーモアな一面も見せたりと、まぁ“隙”が無さすぎて惚れる。マジで。

ただストーリーのペースがかなり冗長に感じてしまった部分も多く、前半の“溜め”に時間を使いすぎて後半のアクションが切羽詰まった演出に見えてしまったのが少し残念。それに加えてアクション描写も尺が少なめに感じてしまったのもなんだか心残りでしたし、個人的にはマッコールさんが怒り狂ってイタリアンマフィアをトラップで殺していく…的な展開を観たかったな〜って思いました。まぁ贅沢な不満ではあるんですけど笑。

とにかくシリーズ最終章にして最後の大暴れ!!平穏をブチ壊す輩どもに“瞬殺”の鉄槌を下す様に静かな“興奮”を覚える爽快感マシマシな一本でした!

ジョン・ウィックシリーズはシリーズを追うごとに尺が増えていったのに対し、イコライザーシリーズはシリーズを追うごとに尺が減っていったのが全盛期と比べやはり“衰え”の波には勝てなかったか…という寂しさを感じるばかりでしたが、逆にこのコンパクトな尺で幕を下ろすのがなんともマッコールさんらしい穏やかな締めくくりでしたし、仮に次作作るとしたらもう彼は70を越えてるだろうし(^_^;)...

とりあえず“仕事”はこれにて暖簾を下ろして、今はゆっくりと余生を穏やかに過ごして欲しい限りですね😌...