しゅん

野いちごのしゅんのレビュー・感想・評価

野いちご(1957年製作の映画)
3.8
多分14年ぶりくらいに観た。こんなしょーもない話で感動させちゃうベルイマンを凄いというべきか胡散臭いというべきか。
夫婦の危機、妊娠、三角関係を二重に用意しているところがドラマ構成として上手いのだろうな。顔や針のない時計のアップの強度に対し、野いちごや荷造りの服や買った靴といった小道具がほとんど見えないことがポイントなんではないかと思う。ロングショットで映されるのは浮気現場など失意と重なる場面ばかりだったのが、最後には両親が釣りをしながら主人公に手を振る幸福なシーンに転化するあたりも見事。

最初の夢のシーンのカメラとの平行移動は、ハネケ『ハッピーエンド』と似ていたな。まぁ老いというテーマも近いし。あと車が横道に逸れる感じがなんかわからんけどいいと思った。
しゅん

しゅん