great兄やん

バーバリアンのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

バーバリアン(2022年製作の映画)
4.1
【一言で言うと】
「穢れた“母性”」

[あらすじ]
Airbnbで予約をした宿泊する家に夜中に辿り着いたテスは、そこにはひとりの男の先客がいることに気づく。手違いかと思って確認するが、この男も予約しているのは間違いなかった。他のホテルがないかと探すがちょうどいい宿は見当たらない。男は寝室を使っていいと言ってくれるが、テスは安全なのだろうか判断に悩み、しばし思案する。ところがこの家の奥深くにはテスの想像もつかないような恐怖が潜んでいた...。

これは面白い!TLでジワジワと話題を呼んでいたので気になってましたが、まさに一度も二度もひっくり返る予想外な展開にただただ大満足ですし、程よいグロさに程よいホラー要素など、バランス感覚の優れた塩梅で終始一貫していたのもGOOD👍でしたね...

とにかくストーリー展開がマジ急展開過ぎてただただビックリ笑。
最初は至って普通のホラーテイストで始まり、徐々に徐々に恐怖心を煽り遂に怖さが最高潮…って所で一気にジャンルそのものをガラッと変えるあの激しい高低差には流石に感情が追いつかなかったです笑(^◇^;)
ネタバレになるのであまり語れないのですが、あんな下手すりゃムードぶち壊しのような大博打を打ってもなお、本軸から逸れないあの秀逸な変化球には大層驚かされましたね😲

それに度々垣間見える“女性”と“男性”が持つ視点の違いが巧妙で、“「もし立場が逆だったらあなたを家に入れてない」”というセリフがあるように、それが伏線となるかのような男性と女性の持つ“危機感”の対比を巧く使った仕掛けには思わず膝を叩いてしまう。

そういや大抵のホラー映画で最後に生き残ってるのはいつだって“女性”ですからね...そう考えると男性がなぜいつも生き残らないのかは危機感が女性よりも薄いからなんでしょうか🤔...

まぁ多分どちらかと言うと、危機感というよりも“好奇心”が強い故だからだと思いますけどね😁

とにかくテイストの高低差が激しいストーリーに振り回されつつも、変わり種のホラー映画ならではの満足感を味わえる一本でした!

近年よくある何層にも“変化”を凝らしたホラー映画ではあるが、それ以外にも男女もジェンダーの違いを巧く意識したストーリーやジャンルそのものを一新した場面展開など、かなり挑戦的でもありジェンダーの“真理”を鋭く突いているであろう今作。

“女性=被害者”という風潮が強い現代の考え方をホラーというエンタメに置き換え描かれた内容にも興味深い印象を感じましたし、それをユーモアを踏まえ観客に提示する手際の良さも素晴らしかったですね😌...