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女経(じょきょう)のKamiyoのレビュー・感想・評価

女経(じょきょう)(1960年製作の映画)
3.8
1960年 ”女経(じょきょう)”
増村保造、市川崑、吉村公三郎監督。
村松梢風の小説を三話オムニバスに。それぞれ若尾文子、山本富士子、京マチ子が主役となってそれぞれの女性の金と愛をめぐる話になっています。残念なのはみんな結論は一緒で「それでも私は金のために生きるわ」という女性が一人もいないこと。いずれの話も最初は金を目的に生きている女性が最後に愛の大切さに気付くということになっています。

僕は若尾文子は好きな女優一人ですので興味が
あり観ることになりました
まあ。。。参りました。。。と言うぐらい面白かった。
オムニバス作品もいいですね。
一つ一つの物語それぞれにウィットとキレが
あった。がめつさや儚さのようなものが出ていて。
どの話も女のずるさと可愛さや
描いたものと思いますが

3話とも、お金と女というのが、テーマかな。
増村×若尾の1話は「耳をかみたがる女」三作の中では一番コミカル。増村といえば若尾。男を手玉に取るホステス役を若尾文子が生き生きと演じていて印象的。惚れた男(川口浩)の冷たい仕打ちにいったんは落ち込むものの、ヨリを戻そうとやってきた男にしっぺ返しをして颯爽と去っていく姿に新しい女性像を見る。
その表情にちょっぴりの未練と悔しさを浮かべてみせる。うまいものだ。
映像にも影がないし若尾文子もずっと明るい。
【川口浩)とは父は超有名な劇作家。大映専務の川口松太郎、母は女優の三益愛子、妻は女優の野添ひとみである 妹の昌は僕と同じ世代でよくテレビで観ました】

市川×山本の2話は「物を高く売りつける女」、海岸で佇むいわけありげな和服美人をロングショットで登場させる二話目はいかにもサスペンス調なタッチが得意そうな市川崑らしい演出。創作に行き詰まったノイローゼ気味の流行作家(船越英二)とのやりとりにはなんとも猟奇的な雰囲気も。この能面のような和服美人が実はとんだ詐欺師まがいの女だったという後半の逆転が演じている山本富士子の激しい落差のある演技によって見事に決まる。ラスト、乗り込んできた船越にちゃっかり抱かれる身代わりの速さ。こんな女が一番危ない。美人女優山本富士子が愛を見つけて最後にみせる明るい笑顔がすばらしいです。

吉村×京の3話は「恋を忘れていた女」舞台京都の町のロケ撮影がとにかくすばらしい。薄い青色のような空気。
京都に移して旅館やバーを切り盛りするやり手の女将をこれ以上ないくらいのリアリティで描いている。女の幸せはお金だと譲らない女将の前に突然現れた昔の恋人(根上淳)。彼の登場が女の幸せの在り処を教えてくれるという構成はいささかありきたり。前半と後半で主人公の性格が180度変わってしまっているのもちょっと不自然。それでもたとえばこたつを囲んでの鴈治郎とのやりとりなど小津の「浮草」なども思わせ、京のはんなりとした雰囲気が心地よい

現在の映画界ではとても作れないと思われます。
日本映画はやはり昭和で終わってしまったのかな。
ちっよと言いすぎかもしれませんね?。。。。

若尾文子が可愛くて悶絶。
しかも、ラストもいじらしくて泣ける。
若尾文子推しになっちゃいそう。
いずれの話も、僕には楽しかったなぁ

当時の風俗が懐かしい
1.隅田川のダルマ船のガラ(船上生活の娘)
2.立って手で玉を入れて打つパチンコ
3.下駄に背広、火鉢、オールドパー、港区の路面電車、
4.郵便局から十文字に封印した札束、
5.コードつきアイロン→天井の電灯からコード伸びる
6.修学旅行専用の旅館、中学の腕章、オート三輪、
7.修学旅行の生徒が米を持参→「一斗缶3個と米の入った袋」が映る、一斗=10升=約18リットル
8.「伊勢湾台風[昭和34年・1959年]で被害を受けた家の子なんです(名古屋の中学生だ)
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