滝和也

拳銃は俺のパスポートの滝和也のレビュー・感想・評価

拳銃は俺のパスポート(1967年製作の映画)
4.0
エースの錠。

特定の役ではなく
宍戸錠が助演・主演で
演じた殺し屋の一貫性を
象徴しつつ定着した彼の
愛称だそうだ…その彼の
代表作はこれだ!

「拳銃は俺のパスポート」

日活アクション、いや日活ハードボイルド・アクションの代表作。これはかなり昔から名作として誉れ高く、ぜひ見たかった。因みに拳銃はコルトと呼びます(^^)

一匹狼の殺し屋、宍戸錠はある組織の会長の暗殺を依頼され、狙撃に成功する…だが依頼した敵対組織はその組織と手を組み、実行犯である彼とその舎弟を差し出そうとする。手配された宿屋である女に助けられた彼らの行く末は…。

正にハンフリー・ボガートの如きハードボイルドストーリー。そしてマカロニウェスタンを取り込んだ音楽と決闘シーン。日活無国籍アクションの系譜を受け継いだ名作ですね。これがプログラムピクチャーとして作成されたものとは思えない…。

モノクロームの画面が活かされた渋みのあるノワール的展開に宍戸錠の渋さ、優しさ、そして殺し屋としてのカッコ良さが爆発してます。逃亡者として追い詰められていく哀愁棚引くニヒルな姿、そしてそれに対しての舎弟や女に対する優しさ。そして非情かつ冷徹な殺し屋本来の姿を見せる埋立地の決闘シーン。

この決闘シーンの舞台、カット割、カメラが完璧過ぎる。如何にして多勢に勝つか、追い込まれ悲痛なまでの姿にカッコ良さを感じさせるそのカメラワーク、演出。見事過ぎます(^^)。なる程、ここ迄の話はこの舞台を仕掛けるためにあったのかと納得。点数が跳ね上がりましたよ(^^)

この決闘シーンのギミック…後に流用されてます。この作品に最も色濃く影響されているのは…ルパン三世第一作。緑ジャケの初期ですね。ギミックや雰囲気、音楽の入れ方までルパン好きな方にはわかるはずです。

確かに今のアクションモノのように、次から次にアクションを入れてテンポを早くしてと言う所は全く無いのですが、この様にラストアクションを活かすためのキッチリした、又はじっくりと描かれるアクションもありですね。

フォロワーさんで誰一人見てない様ですんで、ご興味ない方も多そうなんですが…このラストの決闘シーンだけでも、見る価値ありますよ!日活アクションもコレからたまに見てきたいと思いますのでよろしくお願いします(^^)

追記…ヒロインはヒントでピントのおっかさんの愛称でお馴染み…小林千登勢さんでした。おきれいです(^^) 
滝和也

滝和也