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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!のikustatinoのレビュー・感想・評価

3.4
『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック』

醜く混沌とした世界で、誇れる自分を探す少年達の物語。
これまでリブートを繰り返してきたTNNT。テーマを青春群像劇に絞った事で現代的で分かりやすいお話になっていたように思う。
ルー・リードの「Walk On the Wild Side」と物語の相性抜群だった。

特にNYのストリートアートさながらの街並みや人物造形は素晴らしかった。
本作にはミュータント、人間含め一人として美しく整った造形のキャラクターは出てこなかった。
皆一様に顔が歪んで短足の猿顔。
このルッキズムへの強烈なアンチテーゼが本作のテーマを切実に訴えかけてくる。
醜さとは?美しさとは?

タートルズはブルックリンの黒人少年達をトレースしてると思うんだけど、ドナテロがK-POPや日本アニメのオタクになっていたり、スーパーフライはイタリアのファミリーギャングを踏襲していたりと映画内の国籍も文化も混在していて「人種に優劣をつけないぞ!」という製作者の気合いが随所に見られた。
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