しぇんみん

リーサル・ウェポンのしぇんみんのレビュー・感想・評価

リーサル・ウェポン(1987年製作の映画)
3.8
「世界一まずい七面鳥を俺だけに食べさせようと思ってるなら…お前はイカれてるぞ」
「黙ってたが、俺はイカれてない」
「解ってる」

ロサンゼルス警察捜査第一課の部長刑事ロジャー・マータフ。

家族に恵まれた彼は50歳の誕生日を迎え、数年後には恩給を貰って引退することを考えていた。

そんな彼のもとに、新しい相棒となる新人マーティン・リッグスが配属される。

リッグスは腕の立つ男だったが、最愛の妻を交通事故で亡くして自暴自棄になっており、日々の捜査中にも危うい言動を取ってしまう。

既に体力の限界を感じているマータフは、問題の多い新人と組むことに嘆くのだった。

それでも娼婦の飛び降り自殺に始まる事件を担当した彼らが何とか打ち解け始めた矢先、捜査を進めるにつれ、麻薬取引に関わる巨大な陰謀に巻き込まれてゆく…。

コメディ要素も多く、ポリスアクションであり、バディムービーでもある本作。

ド派手な爆破や銃撃戦、格闘戦で魅せながら、ベトナム戦争帰還兵、特殊部隊、傭兵など、当時の時代背景も生かした良質なアクション作品になっている。

家族を大切にし堅実に警察官としての人生を勤めあげたマータフと、正義漢だが自殺願望も顕に自らの危険も省みない生き方のリッグス。

それぞれ正反対の生き方の個性的なキャラクターを丁寧に描くことで、バディムービーの面白さを際立たせ、凶悪犯罪に立ち向かう彼らに感情移入しやすくしている演出が秀逸。

また、リッグスがマータフ一家の暖かい空気に触れることで、次第に活きる気力が湧いてくる描写も心に来る。

血の繋がりは無くとも、関わった者は何者でも家族に成りうるのだ。

アクション映画でありながら、同時に家族の絆や友情の大切さを描いた物語だと思った。

ハナマル!

2021/03/06
2021/04/18 一部修正
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