幸村

機動戦士ガンダムSEED FREEDOMの幸村のレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)
4.0
紛うことなきファン向け映画なので点数は悩むところではあるが、当時リアタイ視聴していた一視聴者としてはかなり楽しめた。

やはり何と言っても終盤のMS戦、艦隊戦がド派手で見ごたえがあり、音響なども含めて映画ならではのリッチな体験ができたと思う。TVシリーズでは不遇だったキャラにも鬱憤を晴らすかのような見せ場が与えられていたのも良かった。

一方で、思わず笑ってしまうような演出が多用されていたり(ラクスが何度も催眠アプリにかかったり、毎回それを青髪の女性が見ていたりするところは正直めちゃくちゃ面白かった)、ストーリーの前半は、このシリーズの主人公サイドが抱えるジレンマである「平和を求めながらも圧倒的な武力で敵対勢力を蹂躙することしかできない」という辺りに触れておきながらも、最後はいつの間にか「愛は勝つ!」という良く分からないところに着地し、結局今回も新興の敵対勢力を新兵器でボコボコにするだけだったりと、思わず首をひねりたくなるところも多い。
ただ、これに関しては個人的にはマイナスとしては捉えておらず、むしろ自分が今までガンダムSEEDというものを真面目に考えすぎていた、もっと単純なエンタメとして楽しむべきものだったのだと気づかされたような気持ちになった。

これは恐らく、TV放映から随分と時間がたった今に見たから達することができる境地であり、20年前に見ていたらブチ切れていたかもしれないので、この映画はこの時代に公開するのがベストだったのかもしれない。
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