幸村

ネクスト・ゴール・ウィンズの幸村のレビュー・感想・評価

3.8
日本でもお馴染みの弱小チーム立て直し系スポ根映画…と見せかけて意外とそうでもないのかもしれない。
というのは、主人公がコーチを始めてから試合までの期間が短すぎる(まあこれは脚色ではなく事実らしいが)し、選手たちが肉体的、精神的に大きな成長を遂げたという感じも正直そこまで感じられない。
何なら、元々フィジカルは十分だったがサッカーの基本戦術知識だけが足りなかったので、それを補ったら普通に勝てたというようにも見える。

ではこの映画の主題は何なのかというと、やはり米領サモアに暮らす人々の精神性だと思う。
タイカ・ワイティティらしいユーモアに包まれながら劇中の米領サモアの人々の暮らしを見て、日々消耗し続けるだけの自分の人生を見つめなおしたり、幸せについて今一度考えなおしたりできるいい映画だと思った。


ただ、いかにもよりを戻しそうな別居中の奥さんと結局最後まで何もなかったのは流石に意外だった。やはり現実の世界はつらくきびしい…。
幸村

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