事前知識なしで鑑賞。
戦後、何らかの査問にかけられているオッペンハイマーが戦前からの人生を振り返ることで話が進んでいくのかと思いきや、いきなりもう一つ、時系列不明の謎の会議が始まってしまうので、◇この映画の構成は…⁉みたいになってしまうが、見ているうちに自然に理解ができるようになっているし、最後は異なる時系列が綺麗に一つに着地するので、この辺りはさすが時系列操作に定評のあるクリストファー・ノーランだと感心した。
映画全体の内容としてもかなり見ごたえのあるものになっており、オッペンハイマー個人の伝記的映画として面白いだけでなく、利害によって移ろう人間関係や、新しい技術が開発者の予想外に世界を変えてしまうなど、普遍的なメッセージも含まれていたのも良かった。
特に後者に関しては、確か数年前にTwitterの開発者が「もしやり直せるのなら『いいね』ボタンは実装しない」と語っていたとかいうニュースを思い出して興味深かった。
あと、映画の内容上そう言いたくなる気持ちも分からないでもないし、この感想の冒頭にもちょっとそれっぽい事を書いてしまったが、「事前予習必須！予習してから見ないと内容が全く分からない！」…ということはないと思うので変にハードルを上げずに気軽に見に行ってほしい。
別に映画を見て興味を持ったら後から調べればいいだけなので。
