衣装からセット、劇伴に撮影までとにかく拘りぬいていることが素人目にも分かる。それに加えて、主演のエマ・ストーンもこの映画にかなり賭けているだろうという熱演を見せており、素直な誉め言葉ではないが、これは賞取りますわという感じの映画だった。
一方、やはり今の自分にはこの手のアート系映画を受け入れられるだけの素養がなく、恐らくこの映画は赤ん坊の状態から人間性を獲得していく主人公ベラの姿を通して、人間、特に女性の自立や作中でいうところの「良識のある世界」(我々が住む現実世界)の残酷さや滑稽さなどを描いているのだと何となくは理解できたが、ストレートに面白い！感動した！というよりは、うーん、難しいなあ…と言う思いの方が強かったのが正直なところ。
いつか自分もこういう映画をしたり顔で解説できるようになったりする日が来るのだろうか。
